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俺が不思議な場所から帰れなかったかもしれない時の話をする

俺が不思議な場所から帰れなかったかもしれない時の話をする
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:03:32.38 ID:h/PNYid40 もうかれこれ3ヶ月ぐらい経って落ち着いたから書く。
すまん、文才が無いので、ちゃんと伝えられるか不安だが、なるべく分かりやすく書くように努力する。

スペック 32歳
職業 IT系自営業

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:03:32.38 ID:h/PNYid40


もうかれこれ3ヶ月ぐらい経って落ち着いたから書く。
すまん、文才が無いので、ちゃんと伝えられるか不安だが、なるべく分かりやすく書くように努力する。

スペック 32歳
職業 IT系自営業



3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:04:06.07 ID:Al87K87N0


スレタイの既視感



5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:04:12.76 ID:h/PNYid40


その日は俺は朝っぱらからずっと自室に篭って書類を作ってた。
どうしてもお客さんに提出しなければならない書類があって、それを仕上げるのに四苦八苦してた。
そして、10時頃だったと思う。
俺の携帯電話が鳴ったんだが、それは別のお客さん(仮にT社とする)からのクレームの電話だった。

どうも俺が先日、そのお客さんのPCのローカルIPを変えた関係で、プリンターが動かねえよ。
というクレームだった。
しかもバツの悪い事に、そのPCはお客さんの会長のPCで、会長は案の定激怒していた。



8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:05:00.72 ID:h/PNYid40


俺は
「すいません、今ちょっと手が放せないので、コレが終わったらすぐに向かいます!」
と会長に謝りながら電話を切った。

なんだかんだと書類が書き終わり、俺は車に急いで飛び乗ったのだが、なんだかずっと集中していたせいか車を運転してお客さんの所まで行く自信が無かった。
お客さんの所までは35kmぐらい。普通に行けば車で1時間20分ぐらいで到着する場所。

ああ、もういいや。電車で行こう。
そう思って、俺は自宅の折りたたみ自転車を車に放り込み、そのまま車をすぐ近くのT駅まで走らせて、無料駐車場に車を止めて、駅のコンビニでパンを買って、そのまま自転車を引っ張って販売機で切符を買った。
改札口で、自転車って電車に載せてもらえんのかなー?とか思いながら、自転車を折りたたんで抱えて改札口へ行ったら、駅員のオッチャンは苦笑いしながら通してくれた。

この時点で変だったのかもしれん。



9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:06:08.70 ID:h/PNYid40


後から人から聴いた話では、普通別料金が必要なはず。って言われた。

だが、その時は苦笑いしながらも駅員さんは普通に通してくれた。
俺はT社の方向に向かう電車のホームに突っ立って電車を待っていたんだが、電車は割とすぐに来た。
10分ぐらいだったと思う。

言っておくが、田舎ではいきなり電車を乗ろうと思って駅のホームに突っ立って、10分で電車が来るとかミラクルだからな。
50分待ちとか普通にあるもんだ。

で、俺は電車に乗ったのだが、運良く座席が一つだけ開いていた。
ラッキー!とか思いながら俺は自転車を前にデン。と置いて、俺は席に座った。



11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:08:26.71 ID:h/PNYid40


だが、そこで俺は奇妙な事に気がついた。
電車ってのは、個人が各々好き勝手な事をしているもんだ。
大抵の人間は携帯をいじってる。本を読んでる。音楽を聞いてる。寝てる。
そんな様子は微塵もなく、ただ、みんな真っ直ぐ前を向いて手に膝を置いて、まるでマネキンのような格好で座ってた。
誰も何も話さない。ただ、みんな行儀よく真っ直ぐ向いてた。
そこでプシューとドアが閉じた。
電車は走り出したが、それも何か違ってた。物凄いスピードで走ってた。
これは新幹線かよ!って思うようなスピードで。



14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:09:44.61 ID:XT6+ih7z0


ワッフルワッフル



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:10:07.18 ID:h/PNYid40


外の景色もよく判断できない位の速度で電車は突っ走り、しばらくしていたら、急にトンネルの中に入った。
トンネルの中は本当に真っ暗で、外の様子が全く何も見えない中を電車が走ってた。

そしたら車内アナウンスが鳴った。
「もうすぐ駅に到着します。」



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:11:19.03 ID:h/PNYid40


え?と思った。普通ならここは、「ご乗車ありがとう御座います。まもなく、◯◯駅、◯◯駅に到着致します。電車を降りる際は~」とか言うもんだ。
それが「もうすぐ駅に到着します。」
それだけ言うと、アナウンスはもう何も喋らなかった。



18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:12:15.60 ID:h/PNYid40


その一瞬、ヒュン。とトンネル内に駅らしきものが一瞬だけ見えて通過してしまった。
「停車しないのかよ!」と俺は内心突っ込んでたんだが、ふっと自分の座席の横を向くと、そこにはボタンがあって、「次の駅で止まります」と小さな標識があるのに気づいた。
ワンマン電車なのかよ!今更かよ!と思ったが、俺が今何処にいるのかさっぱり検討もつかなかった。
こんなに速いスピードで走ってるんだから、もう近くまで来たのかもしれない。そう思っていると、またアナウンスが。



20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:13:13.70 ID:h/PNYid40


「次はー。軍事工場跡ー。軍事工場跡です。」

は????
軍事工場跡!?!?

俺は即座に混乱して、一体自分は何処にいるんだ?
ひょっとすると、乗る電車間違えた!?
俺はそう思って、席を立って急いでそのボタンを押したんだ。

そうすると、電車はみるみる間に速度を落とし、トンネルを抜けて一つの駅で停車した。



22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:14:42.89 ID:h/PNYid40


そこは俺が今まで来たことも見たこともない駅で、無人改札駅のようだった。
何よりもビビった事が、外が薄暗かった。
俺はビックリして、一体今何時なのかを知ろうとした。

駅の構造としてはホームは4つあったと思う。ただ、普通だとよ、ホームとホームは何らかの接続口があるもんだ。大抵は歩道橋でホーム同士は接続されているもんなんだが、そういう接続口は一切無かった。
つまり、別のホームに行く時には、一旦線路に降りなければならないというような駅だった。
一番奥のホームの後ろは山になってた。
当然、時計なんてものは見当たらず、それどころか、ホームには柱すらなかった。



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:15:06.16 ID:SlCHVmDr0


乗客が何もしないで膝に手を乗せて 一点を見つめてんのって
考えたら怖いな



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:16:34.54 ID:h/PNYid40


なので、一応そんな標識は無かったが、便乗上、俺が降りた無人改札口に一番近いホームを1番ホーム、一番奥を4番ホームとしよう。

改札口と言っても、ホームから道へ出る為のコンクリートの階段が一つ付いてるだけで、その下には民家があった。

昔風の木造の民家で、二階建てで民家というより、木造アパートという感じだった。
余談だが、1番ホームからその家の庭を覗けたw
庭には屋根だけ無いバスルームがあって、丸見えじゃんwwとか思ってた。
タイルは青で、ピッカピカに掃除されてたから、多分今でも使われてるんじゃないかな?



26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:17:43.57 ID:h/PNYid40


てか、今考えれば、携帯電話を見れば良かったんだが、そん時にはテンパリ過ぎて考え付かなかった。

んでまあ、1番ホームから階段を降りたアパートの1階は実はお店で、大きな看板で「チャーハン屋」と書いてあった。
木で出来た看板で、大きな筆でチャーハン屋と書いてあったのを良く覚えている。
店の大きさは小さく、厨房しかないスペースを1人の男が何か作ってた。
チャーハン屋って書いてあるから多分チャーハンだとは思うが。



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:18:22.87 ID:h/PNYid40


どうやらお店というより、窓越しに料理を渡すような屋台に近いようなお店で、俺はテンパリながら
「す・・!すいません!今何時ですか!!」
って聞くと、男は鍋振りながら「5時34分!」って答えた。

その瞬間、俺の頭によぎったのは、真っ赤に激怒したT社の会長の顔だった。
あーーー!!どうしてこうなった!
ぜってーーー叱られる!5時過ぎとか終業時間じゃねえか!!!
オマエのすぐ向かいますってのは7時間後の事を言うのか!とかぜってーー怒られる!



29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:19:10.59 ID:SlCHVmDr0


匂いとかはどうだった?

30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:20:33.40 ID:h/PNYid40


>>29
においはしょう油系の匂いだったな。




31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:21:23.10 ID:h/PNYid40


ますますテンパッて、俺はその駅を飛び出して道路に急いだ。
もちろん今いる場所を確認する為だ。
そしたら、道路は1車線同士の2車線の大きな山道で、今まで来た方向を見ると、先にはトンネルがあって、トンネルの中は漆黒の闇。
普通山道のトンネルってライト付いてるもんなんだが、まったくの闇。
オマケに道路の向こうは大きな川と来たもんだ。

俺は一体何処に着いてしまったんだと本気でパニクった。



33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:22:35.19 ID:h/PNYid40


持ってきた自転車に乗ったら3分ぐらいでトンネルには到着するだろうが、まったく先の見えない闇。
これは・・・行ったら多分帰れない。
俺の本能がそう言っていた。



34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:23:20.61 ID:h/PNYid40


仕方ないので、駅の方向へ戻った。
そして、ふと駅の入り口に小さな表札があるのに気づいた。
そこには確かに「軍事工場跡」と書かれていた。

ひょっとすると、軍事工場跡駅でこのまま戻りの電車を待って、それに乗れば戻れるんじゃね?
その時、初めてそれに気付いた。



36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:25:25.34 ID:h/PNYid40


そう思った俺は、チャーハン屋のオッチャンの所まで戻って、次の電車は何時だと聞いたんだ。
そしたらオッチャンはぶっきら棒に
「まだ来ねえよ。」
そん時にオッチャンの顔を見たんだが、俺、この人知ってる。
サラリーマン時代に一緒に働いていた野中さん(仮名)だ。

「あ・・あれ?野中さんですよね?」

そう尋ねると、オッチャンは

「野中?あー。俺の叔父は野中っていう名前だったな。随分前に死んでしまったけどな。」

じゃあ、親戚なのかよ。とか思ったが、もう死んでしまったというのはどういう意味なのか。

38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:26:26.84 ID:h/PNYid40


そんな事よりもここからどうやってT社に行くんだよ。
俺はフラフラと1番ホームに向かいながら、そんな事で頭が一杯になっていた。

戻って、それから車ぶっ飛ばしても着くのは夜10時か?
そんな時間帯に会社空いてねえ・・・。明日行くってのもバツが悪い。

41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:28:44.31 ID:h/PNYid40


あっ!

今のウチに携帯で会長に言い訳電話しておけばいいんじゃね?
俺天才!とか思いながら携帯を出したが・・。
当然の事ながら圏外。ああああああ。オワタ




43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:29:59.47 ID:h/PNYid40


そうこうしているウチに4番ホームに帰り方向に進む電車が来た。
電車。という表現は違うかもしれない。
列車の先頭にはピンク色の大きなトラックだった。そのトラックに、6両ぐらい列車が牽引されてた。
そのトラックが4番ホームに停車した瞬間に、俺の横からヒュッとすごい勢いで人が走って行った。

チャーハン屋の野中オッチャンだった。

手にチャーハンの乗った皿を持って、人とは思えないスピードでトラックの運転席へ走って行く。

そして、皿を渡して何かを受け取ると、普通に歩いて1番ホームへ戻って来た。

46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:31:32.19 ID:h/PNYid40


あまりにも呆気に取られて、しばらく動けなかったが、

あっ!しまった!!あれに乗らなきゃ!!!!

そう思った時には遅かった。
もうトラックはエンジンを吹かして行ってしまった。

乗りそこねたが、どうやら帰る列車が4番ホームから出る事だけは分かった。
後は待っているだけだが、またどうせしばらく来ないと思ったので、チャーハン屋のオッチャンの所へ戻った。




48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:32:59.13 ID:h/PNYid40


野中オッチャンは相変わらず鍋を振るっていた。
ふとチャーハン屋の受け渡し口を見ると、そこにはチャーハンカレーが置いてあった。
チャーハンカレーというか、チャーハンにカレーのルーがそのまま掛かっている食い物が。
しかも、その中には紫色のウズラぐらいの大きさのふっさふさの鳥が座っていた。

「それは新製品のサンプルだよ。」

野中オッチャンは鍋を振るいながらそう言っていたが、俺はその鳥が気になってしょうがなかった。
何処までが新製品なんだよ。とツッコミそうになってたら

「ああ、ピーちゃんはペットだよ。」

と先に野中オッチャンに先に言われてしまった。




49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:34:20.73 ID:K3uUWlqR0


ピーちゃんprpr



50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:35:02.13 ID:h/PNYid40


なんとなくピーちゃんがピーピー鳴きながら俺の所に歩みよってきたので、俺はコンビニで買ったパンを半分あげた。
そしたら、ピーちゃんがこれまた物凄い速度でパンを食べ始めたんだ。
何に例えれるかなー。ほら、トムとジェリーっていうアニメあったでしょ?
あのジェリーが3口で巨大なチーズを食べ尽くす。そんな感じ。

食べ終わるとビーちゃんは、のそのそとチャーハンカレーの中に戻っていってしまった。



51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:36:20.95 ID:h/PNYid40


「最近、ずっとそこを巣にしちゃってんだよなー。毎日作ってんだけどねー。」

と、野中オッチャンがぶっきら棒にに言うが、俺はすかさず

「ピーちゃん熱くないんですかね?www」
って突っ込むと、

「夏場は暑いだろうね。」

とまあ、素っ頓狂な返事が帰ってきた。



52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:37:38.18 ID:h/PNYid40


そんなやり取りをしているウチに、1番ホームの方から電車の音が聞こえてきた。
向こう側へ行く列車だろう。
慌てて俺は1番ホームに行くと、列車が停車していた。
ここで俺はふっと頭によぎった事が

ひょっとしたら、進めばちゃんと目的の駅に行くんじゃね?

今考えたら本当にバカだった。



53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:39:12.33 ID:h/PNYid40


俺はまた折りたたみ自転車を持って、電車の中へ入った。
やっぱり中には一席だけ席が開いていて、俺はまたドカッと折りたたみ自転車を通路に置いて、その席に座った。
まもなく列車のドアがプシューと閉まって、列車が動き出した。

相変わらず、他の皆は無言のまま、真っ直ぐ前を向いて座っている。
微動だにせず、手を膝の上に置いて。

電車が動いて5分程でまた列車が漆黒のトンネルの中に入って、俺はしばらく揺られてた。



54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:40:49.91 ID:h/PNYid40


それから10分ぐらいして、ふっと今何時なんだろう?
と携帯電話を見たんだ。

そしたら、携帯電話には9時35分って書いてあった。

おいおい。ここでは時間の進み方が違うのかよww
もーあかん、ゼッタイに終わった怒られるフヒヒwサーセンww
そんな事をのんきに思いながら、ふと携帯の画面の隅に目をやると

あ!!アンテナが立ってる!二本も!
さすがはAU、やるなあ!と喜び勇んでいたんだが、ふと違和感を覚えた。

携帯のアンテナの色が緑色になってた。
でも、緑のアンテナバーも2本立ってた。



56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:42:22.56 ID:h/PNYid40


何がともあれ、俺は急いでT社に電話を掛けようとした。
なんだか発信音がいつもの音とは違っていた。

あのいつも聴いているプーーーーっていう音じゃなくて、よくアメリカ映画なんかの電話のシーンで出てくるあの独特の発信音。

まあ、いいやと思って、そのまま電話帳からT社の電話番号を探しだして掛けた。
そしたら、しばらくプップップップと音がして音声アナウンスが。

「・・・・・お客様の電話番号は、圏外です。」



57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:43:15.89 ID:EIEaw11Q0


見てるぞ

かなりそっちに深く関わった感じだけど、大丈夫なのか?
いや、良くはわからないんだが



58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:43:19.35 ID:h/PNYid40


へ?固定電話に掛けているのに圏外?
しかもなんだこの素っ気ないアナウンスは。

その瞬間、俺の頭に思い出してはいけないキーワードが思い起こされてしまった。

それは・・・それは・・・・










きさらぎ駅。



60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:44:19.87 ID:zd/0qFU90


きさらぎ駅ネタかよ

65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:47:23.40 ID:h/PNYid40


>>60
そこに行くかはどうか知らんが、そのキーワードを思い出した瞬間に何かとっても駄目なような気がしたんだ。
これ以上行ってはダメだと本能が言ってた。




61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:44:25.87 ID:h/PNYid40


ザーーーーっと全身の血が引いた。


瞬間、パニックになった。
これは・・これは・・。

俺は飛び上がって次止まりますボタンを連打した。
これはあかん。これはあかん。
もうパニック過ぎて意味が分からくなっていた。



63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:45:47.46 ID:h/PNYid40


程なくして列車は止まった。何処に止まったかは知らない。
外は真っ暗で、トンネルの中だったかもしれない。
ドアが開くと、ちょうどホームの反対側にも列車が止まっていて、ドアも開いていた。
俺はそれに乗らなきゃならないと本能で思った。それも急いで!

自転車を蹴り飛ばし、俺は転がるように反対側の電車に乗った。
乗った瞬間に、電車のドアが閉まって、今まで来た道とは反対方向に列車は進みだした。

何が違うかって、その列車には誰も乗っていなかった。
そして、次止まりますボタンも無かった。



64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:47:18.07 ID:LyMcKkO6I


こええガクガクブルブル((;゚Д゚))ガクブルガク



65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:47:23.40 ID:h/PNYid40


俺は椅子にへたばるように座りこんで、ただ祈ってた。
携帯を握りしめて祈ってた。

これに乗ったからと言って、帰れる保証なんてない。
でも、祈るぐらいしか出来なかった。

列車はどんどん進んで、進み続けた。
30分ぐらい乗ったかな。時間は曖昧でよく覚えてない。
俺はひたすら携帯を握りしめて目を瞑ってどうか戻れますようにとひたすら祈ってた。




67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:48:51.75 ID:h/PNYid40


列車はようやく止まった。
プシューと列車のドアが開いた音で、俺も目を開けた。

外は明るかった。

列車の外に出ると、それはいつものT駅だった。
いや、本当にT駅に戻ってきたのかは分からないが、少なくとも俺が知っているT駅だった。



68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:50:13.14 ID:h/PNYid40


携帯電話を開いてみた。
時刻はAM11:40と表示されていた。

日付は進んでいなかった。

何よりも、携帯電話のアンテナの色が白色に戻っていた。

だから多分俺は帰ってきたんだと思う。
そう思いたい。



70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:51:19.56 ID:h/PNYid40


俺はとりあえず、自分の車に乗って、ぶっ飛ばしてT社まで行った。
会長はテラ不機嫌で怒り狂ってはいたが、あの経験より恐ろしくはなかった。

ここは俺が前から居た世界なんだよな?
そう言ってくれ。

とりあえず、オマエラ、変な世界に来てしまったかもと思ったら、携帯電話のアンテナの色を確認してくれ。



69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:51:19.49 ID:C2SzorPJ0


>>1が生きててよかった。

72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:52:43.77 ID:h/PNYid40


>>69
ありがとう。
もうずいぶん落ち着いたよ。

俺の話はこれで終わりだ。
覚えてる範囲でよければ質問に答えるよ。




71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:51:53.39 ID:SlCHVmDr0


その野中って人はその世界と何か関係あるのかな?

74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:54:13.78 ID:h/PNYid40


>>71
分からん、ただ俺がその会社を退社してからは一度も会ってない。
どうなったとも聞いてない。

俺は間違いなく本人だと思ったが、野中は否定したからな。




73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:53:55.42 ID:EIEaw11Q0


覚えてるうちに事細かくメモとっておけよ

何かあってからじゃ、遅いんだ

77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:55:58.73 ID:h/PNYid40


>>73
そうしたつもりだ。
一ヶ月ぐらい何が起こったのか本当に帰ってこられたのか半信半疑で生きていたからな。

今は帰ってきたと確信して、ずいぶん落ち着いたからまとめてみた。


80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:58:39.03 ID:h/PNYid40



俺が鮮烈に覚えていた事は、携帯電話のマークが緑になった事だ。
ひょっとしたら同じ目にあった人がいたとして、俺が逃げた方法で逃げれるチャンスが生まれるかもだからだ。
本当に怖かったんだ。




76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:54:52.55 ID:SlCHVmDr0


いざ自分がそういう立場になったらそれが現実なのか夢なのか
メモを取るっていうのも難しそうだな・・・

81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:00:38.10 ID:h/PNYid40


>>76
俺も戻ってきてから少しずつ思い出してメモしてたんだ。
てか、正直、本当に戻ってきたかは半信半疑のままメモってたけど。




79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:58:04.70 ID:SlCHVmDr0


止まりますボタンが何か自分の中でひっかかるというか・・・
何か意味があったんじゃないかって気になる。

83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:02:11.77 ID:h/PNYid40


>>79
分からない。
今考えたら、4番ホームのトラック列車に乗ってたらどうなっていたんだろうと思う。




82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:01:14.94 ID:QZwUfcV8P


むかし漂流幹線って漫画があったっけなぁ



84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:05:18.85 ID:h/PNYid40


そうだ、もし列車に乗って、白い折りたたみ自転車見つけたら、それ俺のだから見つけた奴にやるよ。
俺はもうあそこには行きたくない。



85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:06:51.00 ID:SlCHVmDr0


とにかく無事に戻れてよかったのぅ。

88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:12:17.94 ID:h/PNYid40


>>85
ありがとう。
今となっては不思議な体験をした。ぐらいにしか思ってないけど、当時はものすごい怖かった。




86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:07:23.31 ID:J9xA1bpwI


その電車は何線だったんだ?
目的地の駅は?

88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:12:17.94 ID:h/PNYid40


>>86
俺、そこに住んでるから特定は勘弁だけど、J線の目的地はF駅とだけ言っておく。




87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:11:50.62 ID:UREI+fw80


わかったわかった
実際に有り得るとしたらお前の見たのは幻覚だ
仕事で疲れていたんだろ?
休めないなら精神科とか行ってこい

91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:13:42.66 ID:h/PNYid40


>>87
逆にそうであってほしい。




90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:13:35.61 ID:cC53OTfHO


いつから元の世界だと錯覚していた?

93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:16:58.69 ID:h/PNYid40


>>90
T駅に付いて、携帯を確認してから帰ってきたのかもと思い始めて
そのまま生活してたけど、特に今日まで不思議な事は起こらなかったから帰ってきたんじゃないかなと思う。




94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:17:50.44 ID:8Bi9DQM70


電車乗りながら夢見てたんだろ明晰夢てやつ



95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:18:08.15 ID:SlCHVmDr0


自分の身にこんな事起こったらチビるわ



96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:21:25.26 ID:lmrzC+vQ0


夢かもしれないけど面白いね
自転車は寝ぼけて置いてきた可能性があるにしてもパンはどうなったの?
現実に戻った後、カバンの中にパンはあった?



97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:26:12.76 ID:h/PNYid40


>>96
書かなかったけど、パンは結局全部ピーちゃんにあげてきたよ。




99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:31:37.43 ID:lmrzC+vQ0


>>97
パンが無くなっていたなら夢でも幻覚でもなかったって事か
ピーちゃんは確実に存在していたわけだ

異世界の食べ物を食べてしまったピーちゃんは無事だろうか…




100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:32:49.07 ID:C2SzorPJ0


写真とか撮ったりした?



103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:39:02.44 ID:h/PNYid40


>>100
テンパリ過ぎて、そんな事思いも付かなかったが、今考えたら撮ればよかった。




101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:33:18.78 ID:Ld+KXwn+0


T駅についた後、1番初めに人を見たのはどこ?



103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:39:02.44 ID:h/PNYid40


>>101
ハッキリ覚えてないけど、足じゃなかったかな。




104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:40:32.54 ID:Ld+KXwn+0


言い方がわるかった 部位でなくて人を見かけた場所



108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:44:08.19 ID:h/PNYid40


>>101
T駅のホームに下りたらそこにいたよ。




110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:47:45.68 ID:XBmWlq/R0


<<1生きててよかった おかえり 




引用元:俺が不思議な場所から帰れなかったかもしれない時の話をする
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1350036212/
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この記事へのコメント

11456:名無しの散歩さん2013年03月30日 13:43:45

今のご時勢、何故1枚たりとも写メを撮らなかったのかが不思議でしょうがない

14522:Fulkroulk2013年05月21日 17:04:18

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17569:2013年07月01日 17:44:22

まず、35kmを1時間20文法てどんな運転かと。

41350:ゆとりある名無し2013年11月22日 11:21:08

夢だろ
野中が出てきた時点で夢確定だろ
そうじゃないなら精神病

47515:ななし2013年12月16日 03:45:47

今のご時世だけど写真撮る習慣無いわ。

89507:えー?2014年07月03日 16:25:47

怖いってか面白いやんwぴーちゃんの下りに誰も反応心のが不思議。
ただ私がここで思ったんは、夢なんじゃないかと。ぴーちゃんや中野の行動が夢で起こりそうな感じがある。

92363:切羽詰ってマスオ2014年07月15日 04:03:54

とにかく面白い体験ですね。実社会でもそうですけど、そのとき切羽詰っていればいるほど後で振り返ると楽しい話になるからね。
主とは状況が違うが、暴力関係で本当に埋められかけた人が友人にいるけど、今はかなり面白い話の種になっているw

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